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  1. 下剤
  2. 血栓症と抗凝固療法
  3. 重症筋無力症と胸腺腫
  4. 呼吸機能検査
  5. 難治性肺胞瘻と第XIII因子について
  6. 縦隔腫瘍
  7. 腫瘍マーカー CA19-9
  8. MRIの特性
  9. 非小細胞肺癌の補助化学療法
  10. 輸液の基礎知識

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研修医宿題

難治性肺胞瘻と第XIII因子について

柏本 錦吾

臨床的意義

 第XIII因子はフィブリン安定因子とも呼ばれ,血液凝固の最終段階で作用する因子である。その主な作用として止血凝固系の最終段階でフィブリン間のクロスリンクを促進し,安定化フィブリン塊を保ち,過剰な線溶現象を防ぎ,止血の完了維持と創傷治癒作用に働く重要な因子である。原因不明の出血傾向,とくに創傷治癒(肺癌術後の際では難治性気管支瘻)の遷延や後出血を認めるとき測定する。また,消化器疾患の中では,Crohn病,潰瘍性大腸炎で血中第XIII因子の低下が認められており,第XIII因子製剤の輸注による治療効果の報告があり,また血中第XIII因子レベルが高値を示す疾患として,コリンエステラーゼ高値を伴う高中性脂肪血症においてもその効果が報告されている。(基準範囲:70~140%)

異常値を示す疾患
高値疾患: 高中性脂肪血症
低値疾患: 先天性のもの(先天性第XIII因子欠乏症および保因者) ・ 後天性のもの(第XIII因子抑制物質獲得者,DIC,重症肝疾患,糖尿病,Crohn病,潰瘍性大腸炎,Schonlein-Henoch紫斑病,白血病)

難治性肺胞瘻

 呼吸器外科において、肺手術後に胸腔ドレーン内からのair leakがなかなか止まらないなどといった難治性の肺胞瘻の症状が存在する場合、しばしば第XIII因子が低下していることがあり、血液凝固第XIII因子製剤のフィブロガミンPを投与する。

フィブロガミンPの難治性気管支瘻患者への投与法、適応

・成人に対して1日量3~6Vを緩徐に静脈内投与。
・急性炎症、急性感染が消退した後に用いる。(術後4~5日目が目安か)
・血清総蛋白、血清アルブミンに異常がない。
・血液凝固弟XIII因子が70%以下
・5日間投与して症状改善なければ中止する。
・術後難治性肺胞瘻を病名に追加する。

フィブロガミンPの副作用については以下に注意
・ショック、肝機能障害、発疹、発熱、悪寒、嘔吐

胸膜癒着療法

フィブロガミンPでもエアリークが止まらない場合、胸膜癒着療法として、OK-432の投与を考慮する。

OK-432 15KE、1%キシロカイン10ml、生理食塩水50mlを胸腔内に注入し、15minおきに体位変換を行う(4方向×2Set: 2時間)。

熱発が効果判定の目安となる。解熱剤、消炎剤は投与しない。


March 14, 2005

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